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和泉葛城山ブナ林

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ブナ林は日本の冷温帯を代表する森林です。大阪府貝塚市・岸和田市と和歌山県との府県境付近にある「和泉葛城山ブナ林(いずみかつらぎさんぶなりん)」は、太平洋側の、しかも標高800メートル前後の比較的高度の低い位置に分布しており、ブナ分布の南限圏に近い場所でこのような純林が存続することに大きな価値があるとして、1923(大正12)年に国の天然記念物に指定されました。しかし、その後、周囲の伐採、林道の開設、ハイキング道の拡張、キャンプ場の利用など、ブナ林をとりまく環境が大きく変化したことにより、大木の枯死が増加する一方で種子の結実が少なく若木が育たないなど、衰退が進んでいました。

(実物はA2サイズ両面印刷を10分の1に折り込んだポケットサイズ)

最新情報

    • スタッフブログ

      2023.12.18 和泉葛城山ブナ林国天然記念物100周年記念植樹会

    • スタッフブログ

      YouTubeに先日開催のブナ林シンポジウムの内容を公開しました。

    • イベント・講座

      10/21(土)和泉葛城山ブナ林自然観察ハイキング

    情報一覧

主な活動の内容

ブナの苗
三草山の毎木調査

ブナは冷涼な環境を好む樹木ですが、和泉葛城山のブナ林は、分布の南限圏にあり、標高 の低い温暖なところで森林を形成しているため、学術的にも貴重だということで、大正 12年(1923年)に国の天然記念物に指定されました。 近年、枯死が目立ち、種子の結実が少ないために若木が少なく、自然の状態でブナ林とし て維持していくのが困難になりつつあります。当協会では、大阪府、岸和田市、貝塚市と 協力し、このブナ林を保全するためさまざまな事業に取り組んでいます。

  • 天然記念物(コアゾーン)の周辺森林(バッファゾーン)を、ブナ林へ転換するための事業
  • 毎木調査や遺伝子多様性に関する研究、昆虫相の解明など各種調査
  • ボランティアや企業によるブナ林保全活動を支援
  • ブナ林の巡視管理
  • ハイキングや学習会などの普及啓発

活動に参加する

和泉葛城山のブナの木を見る人たちの画像
泉葛城山ブナ林を手入れする人たちの画像

「和泉葛城山ブナ愛樹クラブ」

貴重な美しいブナ林とその周辺のゾーンを次世代に継承すべく、保全・育成・調査活動などに取り組んでいます。自然の森や樹や花が好きで、山の中で過ごすのが大好き、そんなあなた!一緒にボランティア活動を体験してみませんか。まず一度お気軽に参加してください。

〈活動日〉(1・2月以外の毎月)第1日曜日・第3土曜日、第4木曜日
 ※詳しくは、ブログをご覧ください。

お問合せ・申し込み

保全活動の歴史

ブナの大木の枯死が目立ち、ブナ林存続が危惧されるようになった昭和63(1988)年、文化庁、大阪府、地元の貝塚市、岸和田市は、学識経験者、行政、地元教育委員会などからなる「国指定天然記念物和泉葛城山ブナ林保護増殖調査委員会」1993(平成5)年~「和泉葛城山ブナ林保護増殖検討委員会」)を組織し、ブナ林の保護と増殖のための調査を行いました。その結果に基づき、中心となる天然記念物のブナ林(コアゾーン)を保全すると同時に、周辺の森林を緩衝樹林帯(バッファゾーン)として管理しつつ、徐々にブナ林に誘導していくという基本方針が示されました。これを受け、大阪府は1992(平成4)~1993(平成5)年にかけて、周辺森林約47ヘクタールを取得し、公益財団法人大阪みどりのトラスト協会が保全活動団体などと連携し、保護増殖検討委員会の指導・助言のもと保全事業を進めてきました。2018(平成30)年3月には、保護増殖検討委員会の下部組織としてワーキンググループを設置しました。これにより、ブナ林保護増殖に関する議論が活発化しています。

  • 1923(大正12)年

    国の天然記念物に指定

  • 1988(昭和63)年

    国天然記念物和泉葛城山ブナ林保護増殖調査委員会発足

  • 1989(平成元)年度

    調査委員会の提言を受け、大阪府及びトラスト協会がブナ林保全事業を開始

  • 1991(平成3)年度

    「和泉葛城山ブナ林保全事業計画(平成5~14年度)」を策定

  • 1992(平成4)年度

    和泉葛城山ブナの森トラスト運動スタート
    大阪府が周辺森林を買収し、緩衝緑地帯(バッファゾーン)を確保(~翌年)

  • 1993(平成5)年度

    和泉葛城山ブナ林保護増殖検討委員会発足
    種子大豊作

  • 1996(平成8)年度

    金剛生駒紀泉国定公園の特別保護地区及び第一種特別地域に指定

  • 2000(平成12)年度

    和泉葛城山ブナ愛樹クラブ発足

  • 2002(平成14)年度

    7月豪雨、台風21号により大規模な崩落や倒木が発生

  • 2004(平成16)~
    2009(平成21)年度

    毎木調査(コアゾーン)、植栽地調査(バッファゾーン)、林相調査、昆虫相調査、生育環境調査等を実施

  • 2015(平成27)年度

    「和泉葛城山ブナ林保全3ヶ年計画(平成27~29年度)」策定

  • 2016(平成28)年度

    和泉葛城山ブナ林保護増殖検討委員会規約を制定
    大阪府・貝塚市・岸和田市・トラスト協会の4者で「和泉葛城山ブナ林保護増殖事業実施に関する協定書」を締結
    トラスト協会がブナ1本を不適切に伐採

  • 2018(平成30)年度

    和泉葛城山ブナ林保護増殖検討委員会規約を制定
    保護増殖検討委員会の下部組織としてワーキンググループを設置
    シンポジウム「和泉葛城山のブナ林を語る」を開催
    毎木調査・ギャップ更新植生調査(コアゾーン)、植栽地調査(バッファゾーン)、生育環境調査を実施

  • 2020(令和2)年度

    「和泉葛城山ブナ林種子育苗計画・要領」策定
    「和泉葛城山ブナ林10ヵ年計画(令和3~12年度)」策定

関係する主な文献・資料

“みどりの未来”のためにできること

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    大阪府内の貴重な自然や里山を守り続けるために寄付を募っています。

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    活動を継続的に支援してくださる会員を随時募集しています。

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  • 緑の募金活動を行う

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    「緑の募金」などを財源に、みどりづくりや木の利用を進める活動を支援します。

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    国土緑化運動・育樹運動ポスターを作成するための作品を募集しています。

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