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大阪の生物多様性

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大阪府は面積約1,900平方キロメートル。全国で2番目に小さい都道府県ながら、人口は全国で3番目に多く、約880万人が暮らしています。
府内の土地の多くは、住宅地や商工業用地として利用されていますが、府内の山や農地、川から海にいたる多様な環境には、8,700種を超える多くの生物がすみ、それらはお互いにつながり合いながら生きています。
大阪府は、種の多様性が高い地域55箇所を『生物多様性ホットスポット』として選定しています。
大阪みどりのトラスト協会は、このホットスポットのうちブナ林や雑木林、水田、湿地などを中心に、地元やボランティアの方々と協力して、生物多様性を維持・保全していくための活動に取り組んでいます。

大阪府の生物多様性ホットスポットの地図

大阪みどりのトラスト協会 生物多様性保全に向けた取組み

  • 里山や多様な生物の生息・生育環境の保全活動とその支援
  • 定期的なモニタリング等の調査の実施
  • 自然観察会やハイキング、シンポジウムなどの普及啓発活動
  • 各種団体とのネットワーク形成
三草山の毎木調査

三草山の毎木調査

普及啓発(三草山 森の妖精ゼフィルス観察会)

普及啓発(三草山 森の妖精ゼフィルス観察会)

生活を支える生物多様性の恵み

「生物多様性」とは、さまざまな個性を持つたくさんの生物が、他の生物や環境とつながり合いながら存在することを示す概念です。その中には、私たち人間も含まれていて、食べ物、衣類、薬など、生活の中のあらゆる場面で生物からの恵みを利用して生きています。私たちが豊かな生活を送ることができるのは、生物多様性が健全に保たれているからこそです。

生物多様性の宝庫 能勢の里山

大阪府の最北端に位置する能勢町には、北摂山系の豊かな自然の中に古くから人の営みがありました。人の生活に利用されてきた雑木林、山裾に広がる棚田、それらに近接する集落など、美しい里山の景観が能勢の深い歴史とともに残されています。
また、太平洋側・日本海側・瀬戸内海式の3つの気候が重なり、夏は涼しくて雨が多く、冬は寒くて雪が多い地域です。
これらの特徴により、能勢町は多くの生き物が豊かに存在する「生物多様性の宝庫」なのです。
大阪府レッドリスト2014では、多くの希少な野生動植物が生息・生育する「生物多様性のホットスポット」に選定されています。また、2016年の自治体ランキング「生態系の豊かさと便益を示す指標※」では全国1位(他6自治体)となりました。

※「都市の生物多様性指標を用いた全国評価について」三菱UFJリサーチ&コンサルティング 都市の生物多様性指標研究会 2016年

台場クヌギ

台場クヌギ(薪や炭の材料として伐採と成長を繰り返し、このような独特な形状となる。)

「日本の棚田百選」に認定されている長谷(なが
たに)の棚田。

「日本の棚田百選」に認定されている長谷(ながたに)の棚田。

大阪みどりのトラスト協会では、能勢町での里山保全活動を進め、地域と環境を蘇らせ、生き物とつながりを尊重した恵み高い生態系の再生を目指していきます。

ナラガシワの森に生息する“森の妖精”ゼフィルスを守る

三草山ゼフィルスの森

生物多様性の宝庫!多様な動植物を育む湿地の再生

地黄湿地

里山の現状と課題

里山の豊かな自然環境は、多様な生物の生息・生育環境として、また、自然資源の供給、良好な景観、水源涵養や国土保全、文化の継承など、重要な役割を果たしてきました。この自然環境は、雑草や雑木を伐採する柴刈りや草刈りなど、人の手による利用と管理を通じて形成され、維持されてきました。

柴刈りによって生産される薪や炭は、燃料として利用されてきましたが、戦後、電気・ガスが普及し、利用されなくなりました。そのため、里山は人の手が入らず放置され、ササやシダ、ツル植物や照葉樹による暗い放置林へと変化しました。その結果、里山が育んできた生物多様性の劣化が進むとともに、里山を活用する知恵や文化の伝承が途絶え、自然の恵みを得る機会が失われつつあります。

里山の自然環境を将来に受け継いでいくためには、人と里山が関わる機会を増やすことが重要です。都市と地域が連携して、里山の保全と活用を効果的に推進していくことが求められています。

手入れのされた美しい里山林

手入れのされた美しい里山林

薮化した里山放置林

薮化した里山放置林

大阪の鎮守の森

神聖な場所として昔から守られてきた社寺林は、大阪の潜在的な自然植生を知る上で貴重です。 大阪府内で本来の自然林に近い状態で残されている社寺林が、大阪府自然環境保全地域として指定されており、維持・管理のため助成金の交付を行っています。

真如寺能勢妙見山

妙見山は能勢町南部に位置し、ブナが生育しています。
西日本のブナ林が標高1,000m以上に分布している中で比較的低高度地帯(標高662m)に生育するため、アカガシなどの常緑広葉樹が混じった林相であり、学術的にも貴重な樹林です。

本山寺

高槻市北部にある本山寺を中心としたこの地域は、100年以上と思われる高木が多く、一部には、モミ、ツガ、カシ類などの優れた天然林が残っています。 植物の種類も、淀川北部の山地では随一といってよい豊富なところでもあります。

若山神社

若山神社の社寺林は島本町に位置し、樹齢200年前後のコジイを優占種とする極相に近い林相であり、都市近郊にこのようなシイ林がみられることは珍しく、シイ林の周囲をシラカシが取り巻くように生育しています。

美具久留御魂(みぐくるみたま)神社

美具久留御魂神社は富田林市の富田林丘陵の東辺部に位置し、林内は樹齢200年前後のコジイをはじめ、ナナメノキ、アラカシ、サカキがみられ、丘陵地の典型的なシイ林となっており、河内地方では、最古の神社の一つとされています。

意賀美(おがみ)神社

意賀美神社は岸和田市西南部の神於山の北西山麓に位置し、コジイを主とする広葉樹林で、ミミズバイ、ホルトノキ、タイミンタチバナ、ツルコウジといった府内でも珍しい植物が見られます。同様の種組成をもつシイ林としては府内で最も北に位置し、特定植物群落にも指定されるなど、学術的にも貴重です。

“みどりの未来”のためにできること

  • 寄付をする

    大阪府内の貴重な自然や里山を守り続けるために寄付を募っています。

  • 会員になる

    活動を継続的に支援してくださる会員を随時募集しています。

  • 緑の募金に協力する

    振込、バッジの購入、物品寄付で募金にご協力をお願いします。

  • 保全活動に参加する

    自然環境や里山の保全活動への参加者を随時募集しています。

  • イベントに参加する

    生きもの観察会や体験イベントにご参加ください。

  • 寄付をする

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  • 緑の募金活動を行う

    職場やイベント等で募金を呼びかけていただける協力団体を募集しています。

  • CSR 活動を行う

    「みどり」を通じたさまざまな社会貢献の方法があります。

  • 緑の募金活動を行う

    集めた募金の交付金を活用して学校や園の身近なみどりを増やしてください。

  • 保全活動を行う

    自然体験や保全活動など、独自のプログラムのご相談に応じます。

  • 森林ESD を実施する

    「緑の募金」などを財源に、みどりづくりや木の利用を進める活動を支援します。

  • ポスターコンクールに応募する

    国土緑化運動・育樹運動ポスターを作成するための作品を募集しています。

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