活動報告ブログ

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おおさか自然の恵み体験ツアー第6弾「イカナゴ漁と森のつながり」を開催しました

2018年03月22日

3月10日、大阪の自然の恵みのルーツをたどるツアーの最終回となる6回目を開催しました。

今回のツアーではイカナゴの新子漁を通じて、海と森のつながりについて考えてみたいと思い、イカナゴの水揚げが行われる岸和田漁港を訪ねました。

大阪湾に春の訪れを告げるイカナゴ漁は1年のうちでこの季節限定の「自然の恵み」です。
今年は2月26日に解禁しましたが、3月10日はすでに漁の終盤です。
この時期の海風はまだ少し冷たいですが、当日は天気もよくて穏やかなイベント日和となりました。


岸和田漁港に着くと、早速、大阪府漁業協同組合連合会の徳永知之さんに水揚げの現場に案内していただきました。
イカナゴがいっぱいまで入ったケースを積んだ船が戻ってきていました。

漁師さんが海に網を入れていいのは日の出から10時まで。
私たちが見学させてもらったのは10時に網を揚げて港に戻ってきた船でした。
日が昇る前に岸和田港を出発して明石海峡大橋の近くの漁場に向い、日の出と同時に漁の始まりです。イカナゴ漁は通常3隻が1つのチームとなって行います。
先頭の1隻が魚群を探し、魚群にあたると、先頭の船を追う2隻が網を入れて引きます。
漁獲量にもよりますが1日に2~3回、港と漁場を往復するそうです。


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イカナゴ漁について教えていただいた徳永さん


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コンテナを船から港に揚げます


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イカナゴの入ったコンテナ。せりにかけられます。


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イカナゴの親子。この時期の親は捕らないようにしている。



少し早めの昼食を水揚げ場の真向かいにあるきんちゃく家でいただきました。
海鮮丼と天ぷら、そしてイカナゴの釘煮をいただきました。


午後からは大阪府農林水産総合研究所の大美博昭さんから、イカナゴについてお話いただきました。

この時期の新子漁は、12月から1月に産卵された卵から生まれた稚魚が海流に流されてきたものを獲っているそうです。
これから初夏にかけて稚魚たちは生まれた場所に戻り、水温が高くなる夏の間は海底の砂の中で「夏眠」します。
そして冬になると、そこで次の春の稚魚となる卵を産みます。


その年に生まれた稚魚から最大限の利益得るためにはいつ始めて、いつ終えるべきかを決めることが重要になってきます。
生まれたばかりの稚魚の調査で成長の早さをはかり、最終的には試験操業で、漁師さんがその時期を決めるそうです。
しかし、科学的な調査と漁師さんの長年の経験に基づいた資源管理にも関わらず、近年、イカナゴの不漁がニュースでも話題になっています。
これは海の温暖化や、川がきれいになりすぎて海が貧栄養になるという環境の変化が関係しているようです。

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続いて、神於山保全くらぶの田口雅士さんより、岸和田の海にそそぐ川の上流に位置する神於山での保全活動についてお話いただきました。

岸和田の海と山の距離は11km。
とても山と海が近い場所で、漁師さんや企業、市民団体による里山保全活動がさかんな地域です。
もともと利用されてきた山だから、これからも活用しながら豊かな森を作り、豊かな海につなげていこうと取り組まれています。


先ほどの大美さんの話では、水がきれいになると海が貧栄養になり、漁獲量にも影響をあたる可能性あるということでしたが、豊かな海ときれいな海は違うように豊かな森ときれいな森も違うようです。

神於山では、670種の植物があり、フクロウも訪れ豊かな森づくりのため、竹林を伐採したり、明るい広葉樹の森を維持するために間伐したりといった地味な活動が続けられ、その場所が地域の子どもたちの自然体験の場として利用されているようです。


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今回のツアーでは、春の到来を感じさせるイカナゴと里山保全活動のつながりを知ることができ、海の豊かな恵みを受け続けるためには漁業に携わる人に任せておくのではなく、私たちも生活と環境のつながりについて考え、行動したいと思いました。
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